公式一次資料 · Finansministeriet 2023

デンマーク移民の財政純負担
年間 −160億DKK

デンマーク財務省(Finansministeriet)は移民・子孫が公共財政に与える純負担をヨーロッパで最も詳細に公式算定・公表している機関です。出身地域・居住年数・世代別に分解された最新データ(2023年改訂)を解説します。

🌐 Read in English·出典:Finansministeriet 2023(2019年データ、2023年9月改訂)
−160億DKK
移民・子孫 合計 — 年間財政純負担
Finansministeriet 2023
−270億DKK
非西洋系移民・子孫 — 年間純負担
Finansministeriet 2023
+110億DKK
西洋系移民・子孫 — 年間純貢献
Finansministeriet 2023

−160億DKKとは何を意味するのか

  • 合計値(−160億DKK)は移民全体の平均です。出身地域によって符号が逆転します。西洋系(EU諸国・北米・オーストラリア等)は+110億DKK(純貢献)、非西洋系は−270億DKK(純負担)。
  • 財政効果は入国動機に強く依存します。就労移民は一般的に貢献がより大きく、難民・家族呼び寄せは純負担になる傾向があります——これは北欧全国で記録されているパターンです。
  • Finansministerietの算出は静的モデル(現行の税収・給付フロー)を使用しており、将来の生涯貢献額・子孫の経済効果・長期GDP効果は含まれていません。
  • デンマークはこの種の公式推計を毎年公表する世界で最も透明性の高い国の一つです。同等の公式推計はノルウェー(SSB)、ドイツ(Ifo/IAB)程度にしか存在しません。

2019年以降、状況は改善しているのか

  • 2019年データ(2023年9月改訂)が2025年時点でFinansministerietが公表している最新の公式算定です。
  • 雇用は改善しています:MENAPT諸国出身の就業者数は2019年第4四半期の62,800人から2024年第4四半期には80,800人(+29%)に増加しており、純負担の縮小を示唆していますが、新たな公式算定は未公表です。
  • 次回更新では負担額が縮小する可能性が高いですが、西洋系と非西洋系の符号の逆転は構造的であり、解消は見込まれません。

他国との比較

各国の算出方法・対象範囲・基準年が異なるため、数値の直接比較には注意が必要です。

公式推計値対象
デンマーク−160億DKK/年移民・子孫全体
ノルウェー−410万NOK/人(R3グループ)庇護・非欧州家族移民(純現在価値)
ドイツ−21億€/年2015年難民コホート
スウェーデン+60億SEK/年就労移民のみ(全体は非公表)

一次資料

📄
Finansministeriet (2023). Indvandreres nettobidrag til de offentlige finanser i 2019 — 2023年9月改訂版