Statbel · SCB · INSEE · ONS · ABS · ČSÚ · 各国統計局 2023年
移民と失業率の関係は?
20カ国の公式統計格差 −20pt〜−3pt
20カ国すべてで移民の雇用率は現地生まれより低い。最大はベルギー−20pt、最小はチェコ−3pt。格差の大きさは受け入れ政策・移民プロファイル・統合政策によって大きく異なる。
20カ国の雇用率格差(2023年)
主要データポイント(一次資料別)
| 国 | 格差(pt) | 出典 |
|---|---|---|
| ベルギー | −20 | Statbel 2023 |
| フィンランド | −18 | Statistics Finland 2023 |
| スウェーデン | −16 | SCB 2023 |
| フランス | −16 | INSEE 2023 |
| イギリス | −8 | ONS 2023 |
| オーストラリア | −4 | ABS 2023 |
| チェコ | −3 | ČSÚ 2023 |
方法論上の限界
- 学歴・職業資格の非制御:移民集団と現地生まれの学歴分布が異なる。低学歴層の比率が高ければ、出身地にかかわらず雇用率は低くなる。
- 滞在年数の非制御:新規到着者は語学・資格承認・ネットワーク構築に時間を要する。長期在住者は格差が縮小する傾向があるが、集計統計では混在する。
- 出身国・移民カテゴリの非均質性:EU内労働移民、難民、技能移民では雇用率が根本的に異なる。国別の移民構成の違いが格差の規模の差を説明する部分がある。
- 「移民」定義の国別差異:外国生まれ、外国籍、第2世代を含むかどうかが国によって異なる。
この統計が示さないこと
- 雇用率格差は、移民に対する差別の証拠ではない。差別が存在する可能性はあるが、学歴・語学能力・滞在年数・職業資格承認の問題が混在しており、統計から切り分けることはできない。
- 格差の大きさは移民受け入れ政策の「成否」を示すものではない。難民を多く受け入れる国では格差が大きくなる傾向があるが、これは難民の属性(紛争地帯出身、語学ゼロからのスタート)を反映する。
- チェコやオーストラリアの格差が小さいことは、統合政策の優秀さを直接証明しない。移民の属性(技能労働者の比率)と採用時の選抜プロセスが大きく影響している。
- 雇用率格差と経済的影響の関係は自動的ではない。移民は労働供給の増加と同時に需要の増加をもたらし、総合的な雇用水準への影響は雇用率格差から直接導出できない。
一次資料リスト
- Statbel — statbel.fgov.be
- Statistics Finland — stat.fi
- SCB (Sweden) — scb.se
- INSEE (France) — insee.fr
- ONS (UK) — ons.gov.uk
- ABS (Australia) — abs.gov.au
- ČSÚ (Czech Republic) — czso.cz